研究概要 |
1. 多孔性媒質における3相流体モデルにおいて、孤立した多重双曲点の近傍のエントロピー関数は、3重被覆面で定義された関数となることが分かった(15th International Conference on Hyperbolic Problem (2012), Padova で発表。 2. Kumano-go 完全対称化、Dafermos 弱消散系の対称化作用素 は、ほぼ同値であることが分かった。とくに、高周波領域については、Kawashima-Shizua 条件に表れる歪対称行列の構成とも同値になる(K. Trivisa 氏への私信)。 3. 課題に関連する、polytropic 気体の運動方程式について: (1) Glimm 差分法を用いて大域解の存在を論じた、T.-P. Liu 氏の論文(Indiana Math. J., 1978)で提出され、証明が十分に解説されていない諸補題について、完全な証明を与えた(Acta Mathematica Vietnamica, 2013に掲載予定)。 (2) 大域解の存在について、波面追跡法を用いた別証明を与えた。これは、A. Corli 氏との共同研究によるもので、現在投稿中である。研究代表者が開発した径路分解法が、衝撃波の相互作用量評価において有効なことが分かった。また、大域的な相互作用量評価について、振幅幅が小さい場合(Glimm による)と、気体力学方程式で振幅がある程度大きな場合との、差異を明確にできた。
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