研究課題/領域番号 |
22540244
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
柴田 晋平 山形大学, 理学部, 教授 (90187401)
|
キーワード | 宇宙物理学 / 高エネルギー天文学 / プラズマ物理学 / パルサー |
研究概要 |
ガンマ線宇宙望遠鏡フェルミの成功によって、新しい観測事実の集積が急速に起こり、関連した多波長観測を加えて、新しい時代が始まろうとしている。そんな中で、本研究では、フェルミ時代の中性子星磁気圏理論の構築を目指す。 今年度は回転駆動型パルサーの加速現場の3次元構造を観測と理論を精密にすり合わせ実証しながら解明することをめざして、第一原理からのシミュレーションによってパルサー粒子加速領域の位置の特定を目指した。結果として、スロットギャップの位置が従来とは違っていること、新しいDead Zoneを発見した。 さらに、謎の天体とされるマグネターとパルサーの中間天体が見つかって来たことを踏まえ、マグネターにおける粒子加速の解明もターゲットとし、中性子星および関連天体磁気圏理論全体へ成果の波及を図る。 今年度は、マグネターからの放射は強い伝播効果を受けており、そのなかでも光子分裂が重要になるモデルを提唱した。また、回転駆動型パルサーでありながらマグネター様の活動を示す天体の探査を行った。特にすざく衛星によるPSR JO726-2612の観測を実施し、これもまた伝播パルサーでありながらマグネター活動をする天体であることを突き止めた。これは、今後マグネターの起源を探るうえで重要な発見となるだろう。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定されていたパルサーの粒子シミュレーションが実施され、新しい知見を得(粒子加速の新しい場所を発見)、博士の学位論文を出せた。 あたらしい、パルサーでありながらマグネターの活動を示す天体を発見した。
|
今後の研究の推進方策 |
ガンマ線パルスの波形から構造を導くアルゴリズムは難しく完成を見ていない。この一年の数値実験で解決の予定である。
|