研究概要 |
本研究課題の最大の目的であった電子捕獲型超新星の親星の計算を完了させ、その結果を "Evolution of Progenitors for Electron Capture Supernovae" というタイトルで査読誌 The Astrophysical Journal, Volume 771, Issue 1, article id. 28, 13 pp. (2013) に出版した。この結果は30年以上にわたって更新が行われていなかった電子捕獲型超新星の親星のモデルを更新したもので、このモデルをその型の超新星爆発に応用する事によって電子捕獲型超新星に対する理解が進展することが期待できる。 本年度は更にこの親星モデルを用いて詳細なニュートリノ輸送計算を含む第一原理的な輻射流体力学計算を行うための共同研究を開始し、まずテスト計算を行いながら計算に必要な更新点を洗い出した。その結果明らかとなった必要な更新点は、状態方程式の拡張、爆発中の電子捕獲や核燃焼を計算し発生する熱量を詳細に計算することと、爆発的核燃焼波の進行を計算することである。そのうち本年度は主として状態方程式の拡張を行った。具体的に元の計算コードに含まれていなかった低密度部分の状態方程式を導入し、それを高密度部分と滑らかにつなぐ作業を行った。これによって一定の計算結果が得られるようになり、今後の研究を進める上での足がかりを作る事ができた。
|