研究課題
我々はエコーマッピング法により多数の1型活動銀河核のダストトーラス内径を測定し、可視光度と良い相関があることを示してきた (Suganuma et al. 2006 など)。これはダストによる降着円盤起源の紫外線可視放射の吸収と赤外線放射との平衡でその温度が決まり、トーラス内縁がダストの昇華で定められることを示している。我々は MAGNUM で観測した近傍 Seyfert 銀河17天体のデータを用いて、過去最大のダストトーラス内径測定データをまとめ、論文として投稿中である(Koshida et al. submitted)。論文中では降着円盤光度の直接的指標となる可視光度との相関だけでなく、硬X線光度や [OIV] 25.89$\mu$m 輝線光度との相関も調べた。これらはダストによる減光の影響が小さく、2型活動銀河核やダストに埋もれた活動銀河核のダストトーラス内径を評価するのに有用と期待される。また、ダストトーラス内径の光度相関に対する天体毎のばらつきを評価しその原因を考察した。観測的な研究の一方、理論的研究においては、昨年度までに得られたダストトーラスの最内縁構造と近赤外線光度変動モデルに関する研究成果について、国際会議での口頭発表を2件行い、研究成果の世界的な周知に努めた。今後、観測結果と理論モデルをより精密に比較して、ダストトーラス再内縁の構造を追求する予定である。また、巨大ブラックホールの進化を探る観点から、アンドロメダ銀河ハロー中を漂う元衛星銀河中心ブラックホールの光度変化と広波長域放射強度を予測し、将来の観測的検証への準備を行った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of Torus Workshop 2012
巻: 1 ページ: 0
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