研究課題
この研究では、超新星等の突発天体の発見報の収集とそれに即応した分光観測等により、その天体のタイプを判別し、IAUサーキュラーなどによる速報を迅速に行う。特異超新星などの重要な天体であった場合には、分光観測と赤外まで含めた測光観測を継続的に行い、その特徴を明らかにし、超新星の多様性やその爆発メカニズムを探ることを目的とした研究を行うものである。1. 再帰新星さそり座U星のアウトバースト時の分光観測2010年1月に11年ぶりにアウトバーストを起こした再帰新星であるさそり座U星について、継続的な分光観測を行った。この観測データの解析を行い、これらの観測結果を天文学会(衣笠ら、2010年秋季天文学会)や国際会議「Physics in Accreting Compact Binaries」などで、アウトバースト早期でのスペクトル変化について発表した。2. 超新星等の早期観測天候にあまり恵まれず観測できない日が多くあったが、以下の2例について早期分光観測を行い、報告を行った。SN2010dqの観測結果からは、その超新星が極大を過ぎたIa型であることがわかった(Central Bureau Electronic Telegrams,2328)。また、さそり座V1311の観測結果から、そのスペクトルの特徴からは、He/N型の新星であることがわかった(IAU Circ.9142)。年度後半(10月6日~3月31日)については育児休暇を取得した。そのため、今年度の観測機器の整備などは見送り、来年度以降に行うものとした。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
Astrophysical Journal
巻: 725 ページ: 894-903
Proceedings of the SPIE Astronomical Instrument ation "Space Telescopes and Instrumentation 2010 : Ultraviolet to Gamma Ray"
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