非因子型の余剰次元模型は、強結合超対称理論と双対関係にあると期待されている。本年度は最初に、超共形模型における離散フレーバー対称性の選択に対してヒントを得るために、超対称化された非因子型余剰次元模型を取り上げた。この場合、5次元フェルミ場のキンク型質量項はフェルミオンゼロモードの局在化を制御するパラメータであり、これらをフレーバーごとに自由な値を仮定することにより、現実的なクォーク・レプトンの質量行列を再現することが知られていた。トップクォークの第一励起モードが極端に軽い場合を検討し、トップクォーク質量の微調整やビッグス質量への輻射補正が大きくなる可能性を考察した。しかし、フレーバー対称性については、明確な情報を引き出すことができなかった。 一方、滞在型国際研究集会Summer Institute 2010の運営にたずされり、超対称理論から、宇宙論、素粒子実験にわたる多岐の分野の専門家を招待し、彼らと議論することができたのは大変有意義であった。
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