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2011 年度 実績報告書

厳密繰り込み群による非繰り込み定理の導出

研究課題

研究課題/領域番号 22540282
研究機関神戸大学

研究代表者

園田 英徳  神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20291966)

キーワード繰り込み群 / 厳密繰り込み群 / 臨界現象 / 臨界指数 / 普遍性
研究概要

今年度は,以下の3つの問題に取り組んだ,
1.厳密繰り込み群を使った普遍性の証明---本研究の目的は,厳密繰り込み群の定式化を使うことにより,QEDのaxial anomalyそのほかめ非繰り込み性を証明することである.そのためにもこの定式化の普遍性を理解することは重要である.厳密繰り込み群の定式化はカットオフ関数の選択に依存するが,物理現象は,その選択によらないはずで,ここでいう普遍性はそのことをさす.もっとも簡単な実スカラー場(3次元ユークリッド空間)の理論は,有名なWllson-Fisherの不動点を持つが,その臨界指数(特に場の異常次元)がカットオフ関数の選択によらないことを証明した.(正確に言うと,以前得られていた未発表の証明をさらに簡素化にすることに成功した,)成果は近く論文にまとめたい.
2.厳密繰り込み群を使った臨界指数の計算---実際に厳密繰り込み群を使って,臨界指数を計算する場合,どうしても近似が必要になる,その近似が上で証明された普遍性を破ってしまう。したがって近似計算で得られる臨界指数はカットオフ関数の選択に少なからず依存してしまう。ところが近似の精度をあげれば,依存性も小さくなることが期待される.通常使われる微分展開のかわりに,ループ展開による近似計算を行った,場と質量それぞれの異常次元を2次まで計算した,質量の異常次元については,実際に1次の計算より依存性が小さくなることを確認できた,(場の異常次元は1時ではゼロになるので,比較できない。)この成果も近く論文にまとめたい.
3.厳密繰り込み群を使ったQED axial anomalyの非繰り込み定理の証明--本研究で主な対象とするのは,QEDおよび超対称QEDにおける非繰り込み定理である.QEDにおけるaxial anomalyの非繰り込み性を考察した.axial anomalyの等式は,いくつかのcomposite operators(axialカレントや運動方程式のオペレータなど)の間の関係式だが,それぞれのcomposite operatorが明確に定義されていなければ,関係式に現れる係数は定まらない.composite operatorはBRST不変性によってある程度制限されるが,規格化の不定性を取り除くには,ゲージ固定パラメタへの独立性を要求しなければならない.composite operatorのゲージ固定パラメタへの依存性を表す式を模索しているが,解決にはもう少し時間がかかりそうである,

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

QEDにおいてcomposite operatorsがゲージ固定パラメターにどう依存するかという問題が,思った以上に難しかった.

今後の研究の推進方策

当初の研究方針に問題はない.研究時間の確保が最大の課題である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Phase structure of a Yukawa model in three dimensions2011

    • 著者名/発表者名
      H.Sonoda
    • 雑誌名

      Progress of Theoretical Physics

      巻: 126 ページ: 57-80

    • DOI

      10.1143/PTP.126.57

    • 査読あり
  • [学会発表] Universality of the ERG formalism, revisited2011

    • 著者名/発表者名
      園田英徳
    • 学会等名
      Renormalization group approach from ultra cold atoms to the hot QGP
    • 発表場所
      基礎科学研究所,京都大学(京都府)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-01

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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