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2010 年度 実績報告書

高スピン・エキゾチック変形原子核の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22540285
研究機関九州大学

研究代表者

清水 良文  九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (90187469)

キーワード原子核高スピン状態 / エキゾチック変形 / 正四面体変形状態 / 量子数射影計算
研究概要

本研究は、通常の原子核にはないエキゾチックな変形として、特に高次の群論的対称性を持つ歪四面体型変形状態の研究を行うものである。このような変形状態は単に回転対称性を破るだけでなく、軸対称性やパリティーといった通常の変形では保存されるすべての対称性を破っており、その破れた対称性を回復するために、最も一般的な量子数射影を行う必要がある。本年度はその第一段階として、もっとも難しい角運動量射影を行う計算プログラムの開発を行った。ここで、信頼できる平均場を用いた計算を行うためには、波動関数を求める模型空間を大きく取らなければならないが、特に原子核で重要な対相関を考慮すると計算量が膨大なものになり、通常行われている角運動量射影の方法を単純に応用するのは困難になる。本研究では、この困難を乗り越えるために、正準基底を利用して占有確率の大きな部分空間をうまく選ぶことにより、必要な精度を保ちつつ効率的に計算するアルゴリズムを新たに開発した。それに基づいて実際に計算プログラムを作成し、現実的な場合にそれが期待通り働くことを確かめることができた。これは本年度の研究の最も大きな成果である。他方、実際の原子核でエキゾチック変形状態が存在することを確かめるためには、信頼性の高い平均場状態の波動関数が必要不可欠であるが、そのために、この分野の研究の第一人者であるJ.Dudek氏との海外共同研究を進展させ、波動関数の提供を受けることができた。その波動関数を詳しく調べることによって、我々の開発した量子数射影計算プログラムとどのように組み合わせるべきかの検討を行い、その目処を付けることができた。これによって、エキゾチック変形状態のエネルギースペクトルを求めるとともに、電磁遷移確率の計算を精度良く行うことが可能になる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Study of Rapidly Rotating Nuclei2010

    • 著者名/発表者名
      清水良文
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      九州工業大学
    • 年月日
      2010-09-11

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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