研究課題/領域番号 |
22540287
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
小田 一郎 琉球大学, 理学部, 教授 (40265517)
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研究分担者 |
前野 昌弘 琉球大学, 理学部, 准教授 (30222285)
瓜生 康史 琉球大学, 理学部, 教授 (40457693)
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キーワード | 重力のヒッグス機構 / 有質量の重力子 / 超弦理論 / 超光速ニュートリノ |
研究概要 |
本研究の目的は、重力子が質量を持つ場合の重力理論について詳細に調べ、ミクロな素粒子の分野では繰り込み可能でユニタリーな量子重力理論を構成すること、マクロな宇宙論の分野では一般相対性理論が長距離で変更を受けることを用いて、暗黒エネルギーの存在を仮定せずに現在の加速膨張宇宙を理論的に説明することを試みることであった。 昨年度は本研究の目的に従って、「重力のヒッグス機構」に関する新しい理論を構成した。本年度もこの線に沿って研究を進めていたが、この理論の量子化がうまく行かず、しばらくこの方面の研究は止めている。一方、超弦理論の研究においては、自由微分代数を用いて、背景場がタイプIIBの純スピノール形式の超弦理論の作用を初めて構成した。 また、2011年の10月に、イタリアのグランサッソにあるOPERAの実験グループは、ニュートリノの速度が超光速になることを発見した。この結果はアインシュタインの特殊相対性理論に反する結果であったために世界中のマスコミでも取り上げられ、社会的にも大きなセンセーションを巻き起こした。もちろんOPERAの実験結果の正当性を確かめるためには、今後他の実験グループでの追試実験が必要不可欠であるが、我々はこの実験結果が正しいと仮定して、超光速ニュートリノを説明する理論を構成した。我々の理論では、アインシュタインの特殊相対性理論を明白に破ることなく、地球近傍に存在する「暗黒物質」の影響でニュートリノの速度が超光速になることを示した。この研究において、我々は「暗黒物質」を表す場として、スカラー場、ベクトル場、テンソル場の3種類の場を使った。最後のテンソル場を用いた理論では、昨年の本研究で得られた成果である質量を持つ重力場理論を利用した。この2,3年以内にOPERAの実験結果は他の実験グループで追試されることになっているので、もしその結果の正当性が最終的に確認された場合には我々の研究成果は大いに評価されると思っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
超弦理論、超光速ニュートリノ分野の研究が進行したので、これらの研究に忙殺され、本研究に割くべき時間と労力が十分でなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
超弦理論、超光速ニュートリノ分野の研究で得られた知見や知識を本研究にも応用したいと思っている。
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