研究課題
原子核のスピンモードを正確に記述する新しい殻模型ハミルトニアンを用いて、電子捕獲率、ベータ崩壊率のより精密な評価を行い、星での元素合成や星の進化の過程に応用した。(1)スピン応答を良く記述するfp-殻核の新しいハミルトニアン、GXPF1J、を用いて、高密度・高温の天体条件下での電子捕獲率、ベータ崩壊率の精密な評価を核領域を拡張して行い、従来の評価と有意な差があることを示した。Fe、Ni領域核の新しい弱遷移率が星のコア崩壊や超新星爆発過程の元素合成に与える影響を調べた。特に56Niにおける従来より低い電子捕獲率が58Ni等の中性子過剰核の生成率を下げ、これらの元素の過剰生成問題を解決できる可能性を指摘した。精密な電子捕獲率を求めることの重要性を示した。(2)昨年度は、中性子数N=126のアイソトーンのベータ崩壊率をZ=74-78の領域まで拡張して求め、従来のFRDM模型より短い半減期を得たが、今回は鉄コア爆発型の超新星爆発過程におけるU、Th等のアクチナイド元素を含むr-過程元素合成の研究を行った。U、Th領域でのr-過程元素の合成率が上がり太陽系元素組成に近づくことを示した。これらの研究はr-過程元素合成のサイト(場所)がどこかを特定する上での基礎となる。(3)昨年度の8-10太陽質量星に於ける核URCA過程によるO-Ne-Mgコアのクーリング効果の研究を発展させ白色矮星に応用した。Ia型超新星爆発のプロジェニーターとしてのハイブリッド型C-O-Ne白色矮星の進化に於ける核URCA過程によるクーリングの効果を調べ、その重要な役割を明らかにした。(1)と同様に、精密な電子捕獲率、ベータ崩壊率を求めることの重要性を示した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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