研究課題
大質量星の進化の最期におこる重力崩壊は、中心コアのバウンスを経て華々しい超新星爆発を起こすと考えられている。爆発か否かを結論づける上での最大の課題はニュートリノ輻射輸送にある。これまでの研究では、ニュートリノ輻射輸送の計算が球対称あるいは近似のもとでのみ行われてきており、爆発メカニズムを明確に捉えることができなかった。この現状を打破して、ニュートリノ輻射輸送計算を空間3次元で実行可能にすることで、爆発ダイナミクスにおける多次元ニュートリノ輻射輸送の役割を明確にして、超新星爆発の謎にせまる。平成26年度は、多次元ニュートリノ輻射輸送の特徴が普遍的であることを明らかにした。前年度に明らかにした3次元超新星コアの例では衝撃波が伝搬している状況であった。今年度は、衝撃波が停滞している場合について新たなモデル系列を設定して、ニュートリノ輻射輸送の計算を行なった。その結果、停滞衝撃波においても、Ray-by-ray法がニュートリノ分布や加熱率において方向変動を強調しすぎることを発見した。時系列に沿って1ミリ秒ごとのスナップショットについて計算を行なった結果、10ミリ秒程度に渡って非等方効果が続く事が判り、継続的な効果であることも示した。また、本研究計画の最終目標であるニュートリノ輻射流体計算コードの開発が終了して、計算コードについての詳細・テスト問題・球対称重力崩壊の例を取りまとめて査読論文として出版した。この計算コードによりコアバウンス後の定常降着衝撃波に対する不安定性(SASI)の計算を行なった他、軸対称2次元において重力崩壊からスタートする時間発展計算を開始した。特に、京コンピュータにおけるチューニングを完了して、今後の超大規模の超新星シミュレーションの研究の道筋を構築できた。これらの成果について査読論文および国際会議にて公表を行なった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 4件)
Astrophysical Journal Supplement Series
巻: 216 ページ: 5 (37 pages)
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10.1088/1742-6596/569/1/012059