重力を含む全ての相互作用の統一理論候補である超弦理論について、重力と時空構造の観点から系統的に理解することを目的とし、その鍵となるソリトン的物体である高次元ブラックホールの様々な基本性質を調べ、12編の論文を発表した。主な成果は、高次元真空ブラックホール解の対称性とトポロジーへの制限、一意性定理の拡張に必要な大域的・局所的情報の整理、高次元からの有効理論におけるブラックホールの安定性解析、AdS・CFT(重力・ゲージ理論)双対性およびその物性理論への応用における非一様な高次元ブラックホール解の構築などである。
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