研究概要 |
米国フェルミ国立加速器研究所のテバトロン加速器を用いた陽子・反陽子衝突実験CDFでは,データ収集を継続し,これまでに8fb^<-1>を越えるデータを収集・蓄積した。そのデータの解析を進め,重いクォークからなるクォークニウム粒子の生成機構について,その理解が深まった。特に,ボトムクォークとその反クォークの束縛状態であるウプシロン粒子の偏極度の測定の解析が進行中である。 また,欧州CERN研究所のLHC加速器を用いた陽子・陽子衝突実験ATLASでは,重心系エネルギー7TeVでの衝突実験が本格開始され,2010年中におよそ50pb^<-1>のデータを収集した。そのデータの物理解析が進行中であり,チャーム・反チャームクォークの束縛状態であるJ/Ψ粒子の生成断面積が,ミュー粒子対への崩壊を利用して,横運動量の関数として測定された。これは,このエネルギー領域における初めての測定である。また,その生成機構の解明にむけての一歩として,B粒子崩壊を起源とする割合の測定がなされた。さらに,ウプシロン粒子の信号も再構成されている。
|