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2011 年度 実績報告書

スーパーカミオカンデ純水タンク中の極微量ラドン濃度分布測定システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22540308
研究機関岐阜大学

研究代表者

田阪 茂樹  岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (60155059)

研究分担者 松原 正也  岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 准教授 (80281046)
竹内 康雄  神戸大学, 理学研究科, 教授 (60272522)
キーワードスーパーカミオカンデ / 純水中ラドン濃度 / 極低ラドン濃度測定 / 静止型気液混合器 / ラドン活性炭吸着 / 太陽ニュートリノ / 高感度ラドン検出器 / ガス中水分除去
研究概要

本研究は、スーパーカミオカンデ実験の5万トンの純水タンク中極低ラドン濃度測定システムを開発して、SKタンク内の有効体積内部のラドン起源バックグラウンドの解明と低減を目的とする。その結果、太陽ニュートリノ事象の解析閾値5MeVを下げて、太陽ニュートリノのフラックス精度の向上に貢献することを目指している。我々は純水中の極低ラドン濃度を測定する上で障害となっている、純水中極低濃度ラドンの脱気、脱気ガス中のラドンの濃縮、の2つの問題を解決し、開発済みのラドン測定技術を利用して、極低ラドン濃度0.1mBq/m^3程度の新規純水中ラドン検出技術を開発する。
そのために、次の5つのラドン処理プロセスの新たな実験手法を開発して確立した。1)純水中極低濃度ラドンを高性能静止型気液混合器で脱気、2)脱気ガス中に含まれる水分を除湿、3)脱気ガス中のラドンを極低バックグランド活性炭に吸着して濃縮、4)活性炭中のラドンを熱脱離、5)測定:静電捕集型高感度ラドン検出器で測定した。
平成23年度は、新規のラドン測定用データロガーを製作するとともに、高感度ラドン検出器のCFフランジとフィードスルーの改良を行って、ラドン検出器内の真空度を10^<-4>(Pa)まで下げることができた。その結果、ラドン検出器の感度は、絶対湿度が0.005~0.01(g/m^3)の領域では改良前と同程度であるが、1~10(g/m^3)の領域では2倍以上と感度を増大することができた。
平成22年度から23年度において、以下のスーパーカミオカンデ実験の4箇所の純水中及び純空気中のラドン濃度を測定した。その結果、(1)外水槽タンクの深さ4mの純水中ラドン濃度7.0±0.6(mBq/m^3)、(2)純水装置から水槽タンクへの送り水の純水中ラドン濃度1.0±0.2(mBq/m^3)、(3)水槽タンクの深さ10mの純水中ラドン濃度0.8±0.2(mBq/m^3)、(4)水槽タンク上部の空気中のラドン濃度21(mBq/m^3)となった。(1)と(4)の測定結果を比較すると、水槽タンク水面から空気層ヘラドンが放出していると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成22年度から23年度において、静止型気液混合器と高感度ラドン検出器などの、極微量ラドン濃度分布測定システムの開発を行って、スーパーカミオカンデ実験の4箇所の純水中及び純空気中のラドン濃度を測定することができた。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、スーパーカミオカンデ実験の5万トン純水タンク上面のアクセス孔からサンプリング配管を挿入して、深度1~35mの純水を汲み上げて極微量ラドン濃度分布測定システムに注入し、水槽タンクの深さ毎の水中のラドン濃度分布を測定する計画である。
本年度は、極微量ラドン濃度分布測定システム開発と、スーパーカミオカンデ実験の純水中及び純空気中のラドン濃度を測定結果についてまとめる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] スーパーカミオカンデ検出器中のラドン濃度測定システムの開発-SK検出器中の空気層のラドン濃度測定実験-2012

    • 著者名/発表者名
      中野佑樹、関谷洋之、田阪茂樹、松原正也、竹内康雄
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2012-03-25
  • [学会発表] 極低濃度ラドン測定システムの開発2011

    • 著者名/発表者名
      田阪茂樹、松原正也、関谷洋之、中野佑樹、竹内康雄
    • 学会等名
      東京大学宇宙線研究所平成23年度共同利用研究成果発表研究会
    • 発表場所
      東京大学宇宙線研究所
    • 年月日
      2011-12-17

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公開日: 2013-06-26  

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