研究課題/領域番号 |
22540308
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
田阪 茂樹 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (60155059)
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研究分担者 |
竹内 康雄 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60272522)
松原 正也 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 准教授 (80281046)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | スーパーカミオカンデ / 純水中ラドン濃度 / 極低ラドン濃度測定 / 静止型気液混合器 / ラドン活性炭吸着 / ニュートリノ観測 / 高感度ラドン検出器 / ガス中水分除去 |
研究概要 |
スーパーカミオカンデ実験の5万トンの純水タンク中の極低ラドン濃度測定システムを開発して、SKタンク内の有効体積内部のラドン起源バックグラウンドの解明と低減を目的とする。太陽ニュートリノ事象の解析閾値5MeVを下げて、太陽ニュートリノのフラックス精度の向上に貢献することを目指している。純水中の極低ラドン濃度を測定する上で障害となっている、純水中極低濃度ラドンの脱気、脱気ガス中のラドンの濃縮、の2つの問題を解決し、開発済みのラドン測定技術を利用して、極低ラドン濃度0.1(mBq/m3)程度の新規純水中ラドン検出技術を開発した。 次の5つのラドン処理プロセスの新たな実験手法を開発して確立した。1)純水中極低濃度ラドンを高性能静止型気液混合器で脱気、2)脱気ガス中に含まれる水分を除湿、3)脱気ガス中のラドンを極低バックグランド活性炭に吸着して濃縮、4)活性炭中のラドンを熱脱離、5)測定:静電捕集型高感度ラドン検出器で測定した。 新しく開発した純水中ラドン濃度測定システムを用いて、SK実験純水タンク中の5箇所で純水中ラドン濃度を測定した。(1)外水槽タンクの深さ4mの純水中ラドン濃度7.0±0.6(mBq/m3)、(2)外水槽タンク上部水面の純水中ラドン濃度4.6±0.8(mBq/m3)、(3)純水装置から水槽タンクへの送水の純水中ラドン濃度2.5±0.43(mBq/m3)、(4)内水槽タンク中心の純水中ラドン濃度0.4±0.5(mBq/m3)、(5)内水槽タンク下部の純水中ラドン濃度2.6±0.9(mBq/m3)であった。 純水中ラドン濃度測定システムを確立した。純水中ラドン濃度は中心部分は非常に低い。また、底部はラドン濃度が高く、送水起源の可能性と、タンク内部にラドン源が存在する可能性を示す。今後、この知見はSK実験のラドン起源バックグラウンドの解明と低減に向けて役立つものである。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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