宇宙での元素合成に目を向けると、弱い相互作用の働き、とりわけガモフテラー(GT)遷移の寄与が大きい。巨星の超新星爆発や中性子星の融合に伴う高温高密度状態でのニュートリノ起源の元素合成はその典型的な例である。しかし弱い相互作用そのものを使ってのGT遷移の詳細な研究は、その相互作用の弱さ故に困難である。 一定の条件の下では強い相互作用で起こる荷電交換反応が逆ベータ崩壊のように振る舞い、しかも高励起状態への遷移の研究が可能であることに目をつけた。弱い相互作用で起こる、GT遷移の詳細を、高分解能荷電交換反応を用い研究している。原子核に於けるガモフテラー遷移の全体像を理解する糸口をつかみつつある。
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