研究課題/領域番号 |
22540311
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菅谷 頼仁 大阪大学, 核物理研究センター, 助教 (80324747)
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キーワード | 原子核(実験) / マイクロ陽子ビーム / 歯質中のフッ素濃度 |
研究概要 |
歯科医学においてはフッ素が口腔内に存在すると蝕抑制があると言われ、従来からフッ化物の歯面塗布、フッ素入り歯磨剤、フッ素徐放性歯科材料の応用等が行われ、多くの臨床例が得られている。その中で歯質はフッ素が取り込まれると耐酸性が向上することがわかってきた。 これまでに我々は、若狭湾エネルギー研究センターで使用可能であるマイクロ陽子ビームとフッ素原子核散乱からのガンマ線を測定することで、大気中で試料内のフッ素の分布測定法を確立するに至った。陽子との衝突の後、フッ素がアルファ線とガンマ線を放出し酸素に変わる原子核反応である。しかしながらビーム軸方向への陽子の浸透によるフッ素分布の不定性はいまだ残っている。本研究では散乱時放出されるα線を測定面側で検出することで、深さ方向に対する制限をかけた測定方法の開発を行う。 実験には若狭湾エネルギー研究センター、放射線研究棟、元素分析コースを用いている。タンデム加速器から取り出された陽子ビームを標的直前の4極電磁石で幅10μm以下のマイクロビームに絞り込む。そのビームを試料に照射し、ガンマ線(エネルギー6~7MeV)を計測する。ガンマ線検出には3インチ角の高効率BGO検出器を用いている。走査電極に印加する電圧を変化させることによって、試料に照射する位置を変えることができる。本研究は測定面側に検出器(SSD)を設置して、ガンマ線と同時にα線を捕え、その反応が比較的表面近くで起こったことを知る。 平成23年度中に実験が行われる予定であったが、加速器の重故障の為平成24年度に延期された。3.4 MeVのマイクロ陽子ビームをフッ素を含む標準試料に照射し、α線収量を求める為の実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成22年度に若狭湾エネルギー研究センター加速器を用いテスト的行った実験の結果から、平成23年度は実験の最適化を行った。さらに検出器の配置などを変更してα線収量を求める為の本測定を行う予定であった。しかしながら加速器の重故障により、23年度中に実験を行うことができなくなった。予算の一部を24年度に繰り越した。加速器の修理後、本測定を平成24年8月14日におこなった。 測定結果を解析するためのソフトウエアなどを予め準備しておいたので、結論を出すまでそれほどの遅れは見込まれない。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年8月14日に行った測定の結果の解析を行い、3.4 MeVのマイクロ陽子ビームに対するα線収量とフッ素濃度、α線収量とフッ素からのガンマ線の量の関係を見積もる。その結果歯質への測定に応用できるか考察する。また大阪大学においてα線検出器の動作確認を行う。
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