歯科医学においてフッ素が口腔内に存在すると蝕抑制があるといわれてきた。これまでに我々は、若狭湾エネルギー研究センターのマイクロ陽子ビームによる核反応からのガンマ線を測定することで、大気中で試料内のフッ素の分布測定法を確立するに至った。今回は散乱時放出されるアルファ線を検出することで、深さ方向に対する制限をかけた測定方法の開発を行った。3.4 MeV のマイクロ陽子ビームに対するフッ素からのガンマ線に対するα線収量を 0.4%と見積もった。歯質の測定を行うにはビーム量増強などα線収量を増やす必要があると結論した。
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