3年度に渡る研究計画のうち初年度に当たる今年度は、パイプライン並列処理を行う基本要素となるコアフレームワークの開発に注力した。計画当初はBelleII実験とHSCで共通に使用する予定であったroobasfと呼ばれるフレームワークをベースにして開発を進めたが、それぞれの実験に特化された部分が多く一般的に使用するには難があることがわかった。そこでBelleII実験に参加するドイツグループと共同で新たにbasf2と呼ばれるフレームワークを開発し、これに並列処理機能を搭載することで、コアフレームワークとして使用することにした。本研究費で購入した2台のマルチコアCPUを搭載したPCサーバーを使用して、並列処理機能の実装を集中的に行い、実際に動作することを確かめた。しかし現在の実装では並列処理機能がユーザーに対して完全にトランスペアレントにならないため、さらに別の実装の研究を続けることにした。
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