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2011 年度 実績報告書

パイプライン分散並列処理によるリアルタイムフィードバックシステムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 22540319
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

伊藤 領介  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (90193531)

研究分担者 片山 伸彦  東京大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50290854)
キーワード素粒子実験 / 実時間データ処理 / 並列処理
研究概要

複数のPCの間を結んでパイプライン並列処理を行うために、各PCの上で動作するパイプラインカーネルの開発を行った。Belle II実験と共同でこの研究をすすめ、basf2と呼ばれるソフトウェアフレームワークとして実装を行った。このフレームワークはソフトウェアバス構造をもち、単機能のモジュールと呼ばれるソフトウェアのコンポーネントを複数プラグインすることで、それらをパイプライン実行するという機能をもつ。さらにマルチコアCPUを持つPCでは、そのパイプラインを分割し並列処理する機能を実装した。
このパイプラインカーネルの完成後、Belle2のソフトウェアを動作させ性能評価を行った。使用したベンチマークソフトウェアは2種類である。一つはBelle2検出器のシミュレーションのアプリケーションである。これは1つのパイプラインで物理イベントを生成し、それを複数の別のプロセスに送り並列パイプライン処理により検出器シミュレーションを行い、その結果をまとめ別のパイプラインでファイルに記録するものである。これはCPU boundなアプリケーションの性能評価を行うものである。もう一つは前のベンチマークでかかれたデータファイルを1つのパイプラインで読み込み、複数のパイプラインでイベントリコンストラクションを行い、その結果を出力パイプラインでファイルに書き出すもので、入出力のロードが高い場合の性能評価を行うものである。性能測定には32coreを持つPCサーバーを用い、パイプラインを実行するcoreの数を変化させ実行性能の向上を測定した。その結果どちらのアプリケーションにおいても32 coreまでの直線的な性能向上が確認でき、並列パイプライン処理による性能向上が実証された。また入出力の帯域幅がハードウェアの限界に近い状況においても性能が低下しないことも確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

複数のPCをつないで行うパイプライン並列処理の核となるフレームワークをほぼ計画どおり開発することができた。

今後の研究の推進方策

本年度に開発したパイプラインカーネルを複数のPCで実行しその間をネットワークでつないでデータを流して大規模なパイプライン処理を行うフレームワークの開発を次年度に行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Distributed parallel processing analysis framework for Belle II and hyper suprime-cam2011

    • 著者名/発表者名
      S.Mineo, R.Itoh, N.Katayama, and S.Lee
    • 雑誌名

      PoS ACAT2010

      巻: 1 ページ: 026-030

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of High Level Trigger Software for Belle II at SuperKEKB2011

    • 著者名/発表者名
      S.Lee and R.Itoh
    • 雑誌名

      J. Phys. Conf. Ser.

      巻: 331 ページ: 022015-022020

    • DOI

      10.1088/1742-6596/331/2/022015

    • 査読あり
  • [学会発表] Belle II DAQの開発(IV) 高次トリガー(HLT)とデータフロー2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤 領介
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      弘前大学
    • 年月日
      20110916-20110919

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公開日: 2014-07-24  

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