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2013 年度 実績報告書

量子スピンホール効果の新奇物性探索とデザイン

研究課題

研究課題/領域番号 22540327
研究機関東京工業大学

研究代表者

村上 修一  東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (30282685)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2015-03-31
キーワードトポロジカル絶縁体 / 表面状態 / 輸送現象 / 熱電変換 / 量子ホール系
研究概要

ダイヤモンド格子上の強く束縛された電子の模型で同様にフラットバンド(分散のない平坦なバンド)の表面状態が出ることは先行研究で指摘されている。ここに異方性を導入した場合のフラットバンドの変化を調べた。異方性を強くしていくとフラットバンドが次第にブリルアンゾーンの広い範囲を占めるようになり、ある値以上に強くなるとフラットバンドはブリルアンゾーン全体を覆うようになることを理論的に示した。それとともに、バルクのバンド構造はギャップを持つようになるため、フェルミエネルギー上にはフラットバンド表面状態のみがあるようになることを見いだした。またこの表面状態は、先行研究での、グラフェンなど2次元系でのフラットバンドエッジ状態のトポロジカルな特徴づけを今回の3次元系に拡張することで理解できることがわかった。
また、バルクでディラックコーンが見られるワイル半金属相について、そのフェルミアークと呼ばれる表面状態の分散と系のパラメタ変化に対する変化を理論的に計算した。ワイルノードを2個持つ有効模型をたてて、それからバルクと表面状態を計算し、フェルミアーク表面状態がバルクのディラックコーンに接することを見いだした。次に系のパラメタ変化でワイル半金属相がトポロジカル絶縁体に相転移すると、それに応じて表面フェルミアーク同士がくっついて表面ディラックコーンになることを見いだした。またワイルノード2個の組がフェルミアークを形成するが、その組み合わせは表面の終端の仕方に依存することを格子模型で確かめ、それをトポロジカル絶縁体での表面終端に関する理論と関連づけて議論した。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Completely flat bands and fully localized states on surfaces of anisotropic diamond-lattice models2013

    • 著者名/発表者名
      Ryuji Takahashi and Shuichi Murakami
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 88 ページ: 235303-1--10

    • DOI

      10.1103/PhysRevB.88.235303

    • 査読あり
  • [学会発表] 非ラシュバ型表面状態によって生じる新奇なスピン物性の理論的研究

    • 著者名/発表者名
      中陳 巧勤、村上 修一
    • 学会等名
      第7回物性科学領域横断研究会
    • 発表場所
      東京大学
  • [学会発表] ワイル半金属相とトポロジカル絶縁体相の相転移 に伴う表面状態の変化

    • 著者名/発表者名
      奥川 亮、村上 修一
    • 学会等名
      第7回物性科学領域横断研究会
    • 発表場所
      東京大学
  • [学会発表] Topological spin transport in metals and ferromagnetic insulators

    • 著者名/発表者名
      Shuichi Murakami
    • 学会等名
      Gordon Godfrey Workshop on Strong Electron Correlations 2013
    • 発表場所
      Sydney, Australia
    • 招待講演
  • [図書] スピン流とトポロジカル絶縁体―量子物性とスピントロニクスの発展―2013

    • 著者名/発表者名
      齋藤 英治、村上 修一
    • 総ページ数
      176 (73-139)
    • 出版者
      共立出版

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公開日: 2015-05-28  

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