研究概要 |
本研究では2次元スピンアイスを実現するため、連結された単分子磁石(SMM)ユニットの層状ネットワーク[Mn(5-Rsaltmen)]_4 [M(CN)_6]A・nH_2O(M=Mn, Fe, Co; R=H, Me; A = ClO_4^-, PF6^-, CF_3SO_3^-)の合成と、その構造の同定および磁気的な測定・緩和解析を行った。その結果、M=Mnでは、SMMユニットの異方性容易軸が交互に垂直に並び、かつ、M錯体で強磁性的に連結された層状構造を持つことにより、強い幾何学的フラストレーションが発生、スピンアイス的なDavidson-Cole型の緩和を示すことがわかった。また、M = Mn_1-_xFe_xでは、乱れによりスピンアイス状態はx = 0.1で融解し、x > 0.3で磁気秩序を持つことが示された。その他、Mによる違い、A、Rを変えたことによる構造の変化と磁気的性質の関係を調べた
|