研究課題/領域番号 |
22540354
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
安岡 弘志 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究員 (50026027)
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研究分担者 |
徳永 陽 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (00354902)
中堂 博之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 任期付研究員 (30455282)
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キーワード | 物性実験 / スピントロニクス / 磁性 / 核磁気共鳴 |
研究概要 |
本研究は最近の材料科学の分野で固体中の電子の電荷とスピンの両方を工学的に利用して新しいデバイスを開拓するスピントロニクスの研究開発に新しい研究手法として核磁気共鳴(NMR)を導入し、特にスピン流の生成と運動に関して動的な情報を取得しその本質を解明することを目的としている。 平成23年度は、研究計画の立ち上げとして核磁気共鳴装置の整備を行い、スピントロニクス関連物質の強磁性体中でのNMR観測を行った。具体的には、Co/Pt二層膜やPt/CoMnホイスラー合金中の^<59>Co核やPt/YIG二層膜中での^<57>Feのゼロ磁場NMR観測に成功した。また、Pt/Co_2MnSiの2層膜で強磁性体のホイスラー合金中の^<59>Cや^<55>MnのNMRを励起することによって夫々の共鳴周波数領域でPt層にスピンポンプがなされスピン電流が流れることを見出した。さらに、Pt/YIG系でPtに電流を流しYIG中にスピン注入(この場合はスピン波注入)を行った場合にYIG中の^<57>Fe核の核磁気緩和に異常がみられることを発見した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究に用いる非磁性金属と強磁性金属間化合物や絶縁体の正常界面は作成が非常に困難で、試料の改善に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
23年度に見出した、スピンポンプやスピン注入の実験を、さらに制御された試料で検証し微視的な解明を行う。 また、24年度は最終年度であるのでこれまでの実験結果を精査、整理して論文として公表する。
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