研究課題
発光ダイオード(LED)は交通信号や懐中電灯に使われるなど日々の営みに深く浸透し、省エネルギーの達成と快適な生活の維持を両立させる優れた電子素子である。半導体pn接合で生じる発光という物理現象は、このように極めて身近なものである。最近、発光現象の新たな側面に注目した研究が精力的に行われている。例えばフォトンの可干渉性を生かして量子コンピューティングや量子情報の制御を実現するという試みは、量子光学だけでなく物理学の分野にも大変魅力的な話題を提供している。そのためには発光するフォトン数の制御や、複数のフォトンの間の高いコヒーレンス保持といった極限技術が必要であるが、こうした技術の総合が21世紀の技術革新を先導する知的資産として注目されている。我々は、超伝導発光ダイオード半導体pn接合にさらに超伝導体を接合した素子の発光原理、素子の特性、量子力学的にもつれ合った2光子状態実現の可能性に関して、実験的理論的な研究を行った。超伝導点温度以下では量子力学的にもつれ合った2光子が放出される事、そのために発光強度が著しく増加する事を理論的に予測し、実験的にも概ね理論と整合する結果が得られた。また、マヨラナフェルミオンという特殊な電荷を持たない粒子は擾乱を受けづらく量子情報の基盤として期待されているが、マヨラナ粒子を作るには奇周波数クーパー対が必要である事を明らかにし、奇周波数クーパー対の電磁気学的不安定生を指摘し、発光現象を念頭に置いた基礎研究を行った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
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