研究課題
基盤研究(C)
分子が一方向に積層したβ型有機超伝導体の示す超伝導転移について、一軸圧縮下での転移温度T_Cの実験結果と理論計算の対比から、分子の2量体性の違いによる電子相関の強弱と、三角格子フラストレーションの寄与の観点から調べた。分子の2量体性の強いBEDT-TTF塩では、分子積層方向に平行、垂直の両方向とも一軸圧縮により一度T_Cが増大し極大を取ったのち低下した。この非単調な振舞いは分子の2量体化した1/2フィルドモデルにより再現され、スピン揺らぎとフラストレーションの競合により生じていることが分かった。これに対して2量体性の小さいBDA-TTP塩では、分子積層方向にのみT_Cが極大を示すが、2量体化を仮定しないモデルのほうが、実験結果との一致がよいことがわかった。すなわち2量体化の程度の違いに対応していることがわかった。
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