研究課題
1.強磁性超伝導が出現するウラン化合物UGe_2,UCoGe,URhGeの強磁性状態を明らかにするため、高圧下磁化測定を計画した。圧力を加えて電子状態を連続的に変化させ、強磁性特性の圧力応答を調べ強磁性超伝導の出現との対応関係を明らかにすることを目的とした。ウラン系強磁性超伝導物質の研究には既存の圧力セルは様々な観点(例えば最高圧力や測定精度)で不十分である。本年度は、新しい高圧下磁化測定用圧力セルの開発を行った。その結果、セラミック複合材料をアンビルとして用いることで、最高圧力7.6GPaまでの高圧下磁化測定が可能なセラミックアンビルセルの開発に成功した。その仕様のテストを詳細に行った。2.ウランカルコゲナイド化合物β-US2は、ウラン強磁性超伝導化合物UCoGe,URhGeなど同じ結晶構造を形成し、常圧で非磁性の半導体である。低温で大きな負の磁気抵抗が現れることが特徴的であり、その大きさはマンガン酸化物と同程度でその起源に興味が持たれる。高圧下磁化測定を行った結果、β-US2に少し圧力を加えると、強磁性相が誘起されることが明らかにされた。大きな磁気抵抗の効果は、強磁性相境界で現れる新奇な現象であることが明らかにされた。3.ウラン系超伝導物質Uru_2Si_2の高圧下電気抵抗測定を行った。圧力を加えると0.8GPaは基底状態は「隠れた秩序」相から、反強磁性相へと一次転移する。本測定の結果、「隠れた秩序」相では、電気抵抗が通常のフェルミ流体理論に従わない振舞を示すことが明らかになった。
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