研究課題/領域番号 |
22540386
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤 定義 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10217458)
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キーワード | 乱流 / 数値的厳密解 / 壁乱流 / 力学系 / クリロフ部分空間 / 多重スケール / 大規模構造 |
研究概要 |
発達したポアズイユ流乱流に対して、外層おける大規模構造に対応する数値的厳密解を求めるために、基礎方程式にフィルターを実装し有限のフィルター振幅において安定な解を求め、ニュートン法を用いて振幅を0に接続するフィルター法を開発した。ニュートン法においては、クリロフ部分空間を用いることによって、計算量を大幅に減らすことが可能となった。 ここで用いた解探査法、フィルター振幅を変数とす連続変形法、の特性を調べるために、スイフト・ホーヘンベルグ方程式に適用し、既知の解が得られること、またこの解とは直接分枝が繋がっていない新たな解が得られることを明らかにした。更に、ガリレイ変換に対する対称性を持つ系に対して定常進行波型の解を得る処方箋を蔵本シバシンスキー方程式を用いて開発した。 これらの手法を用いて、チャネル流において試験的な計算において厳密解を得た。現在この解を用いて解の探査を続けている。 更に、外層と内層の接続領域に形成される自己相似性を持つ対数則層を理解するために、対応する領域以外をフィルターを用いて層流化したシミュレーションを行い、その乱流特性が、フィルター振幅が0ではない場合に得られた解によって、定性的に記述できることを示唆する結果を得た。 これらに加えてフィルタ法の応用を検討した。具体的には以下2つを扱った。界面での乱流輸送を理解するために、直接シミュレーションを用いて自由界面を持つ乱流を解き、乱流構造とスカラー輸送の関連を調べた。これらの境界層での輸送過程の力学系的な理解が可能であるか検討している。ここで得たフィルター法を用いた解析が、ナノバブルなど小スケールの流体の理解に応用できる可能性について試験的に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
試験的な計算で当初目的とした厳密解を得られたが、プログラムにバグがあることが判明した。プログラムの修正のために予定外の期間がかかったために、計画の達成に遅れが出た。
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今後の研究の推進方策 |
現在得られた解をさらにパラメター値を変えて詳細に調べ、乱流の理解を進める。
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