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2012 年度 実績報告書

テンソル積状態の極小原理による最適化と量子系への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22540388
研究機関神戸大学

研究代表者

西野 友年  神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00241563)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードテンソル積状態 / DMRG / 繰り込み群 / 双曲変形 / エンタングルメント / 境界条件 / 正弦2乗変形 / 変分計算
研究概要

一次元の量子系の典型例であるS=1/2スピン系や自由フェルミ系について、その相互作用が正弦的・双曲的に空間変調された系の基底状態解析を、テンソル積変分形式の一つである密度行列繰込み群による数値解析などを用いて引き続き進めた。相互作用変調にかかわらず基底状態が一様であることについては桂・丸山・引原らによって、ある条件の下で厳密な証明が与えられたことを受け、数値計算で得られた非可解系の計算結果などとともに取りまとめて、2つの研究会(ETHチューリッヒ、バンガロー大学)で公表した。これらはGAPのない臨界系についての成果であり、研究会での議論を通じて、GAPを持つ系について系の非一様生が基底状態に現れない場合があるかどうか、またその場合に相互作用が局所的であり得るかどうか等、幾つかの新しい研究方向を得ることができた。
一方で、量子・古典対応の考えに基づいて、これまで弱く変形された古典統計モデルの熱力学的な性質についても研究を重ねて来た。この方面では、弱く変形した(つまり平面に近いけれども多少曲がった)格子を生成する手法が共同研究者の A.Gendiar より提案され、その格子に見合うよう角転送行列繰込み群(CTMRG)の計算手順を工夫しデータ収集を行った。この系では相転移点での特徴的な長さ、つまり相関距離が有限であり、かつ自由エネルギー的には2次転移であるという特殊な相転移が観測されるが、その特徴的な長さが実は双曲格子の弱い曲がりに対応する曲率半径と同じオーダーの量であることが判明した。以上のとおり、テンソル積によって物理状態を圧縮して取り扱う繰り込み群手法を通じて、相互作用の空間変化が長さのスケールを持ち込むことを数値的な結果ではあるが示すことができた。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Doubling of Entanglement Spectrum in Tenor Renormalization Group2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Ueda, Kouichi okunishi, Tomotoshi Nishino
    • 雑誌名

      Phys. Rev. B

      巻: 89 ページ: 1-10

    • DOI

      10.1103/PhysRevB.89.075116

    • 査読あり
  • [備考] DMRG Home Page

    • URL

      http://quattro.phys.sci.kobe-u.ac.jp/dmrg.html

  • [備考] Phase Transition in Hyperbolic Space

    • URL

      http://quattro.phys.sci.kobe-u.ac.jp/Hyperbolic/Hyperbolic.html

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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