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2010 年度 実績報告書

分岐構造・階層構造の形成とダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 22540393
研究機関九州大学

研究代表者

坂口 英継  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (90192591)

キーワード分岐構造 / 沿面放電 / フラクタル / 自己組織化 / ランダム界面 / セルフアフィン
研究概要

「分岐構造、階層構造の形成とダイナミクス」という題目で分岐パターンや階層構造の形成原理を深く研究することをめざしている。そのために、簡単化した数理モデルを提案し、その数値シミュレーションを行う。
今年度は沿面放電に生じる分岐パターンの力学モデルのシミュレーションを行い、コンデンサの容量に対応するパラメータを変えていくと、分岐密度が連続的に変化することを見つけた。分岐密度を数量化するためにフラクタル次元を計算した。また、雷の先駆放電にみられるようなステップリーダーの時間的振る舞い、すなわち、放電路が少し進んでいったん停止しまた進むという階段状の進展をしめすパラメータ領域が存在することが分かった。雷の先駆放電のステップリーダーは古くから知られている現象であるが原因はいまだにはっきりしていない。このモデルをもとにさらに数理的にステップリーダーの原因を追究したい。
複雑な分岐構造上のダイナミクスの簡単な例として、インクの紙への浸透の問題の数理モデルのシミュレーションした。紙は紙の繊維が複雑に絡み合った媒質で、インクはその繊維にそって表面張力によって浸透してゆく。ランダム性と浸透性、さらに紙の表面での水分の蒸発が釣り合ったところでインクの浸透界面が止まる。そのとき、ある種の臨界状態が自己組織化され、界面の幅と長さの間にフラクタルの一種であるセルフアフィン性が生じることを示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Self-organized criticality in an interface-growth model with quenched randomness2010

    • 著者名/発表者名
      H.Sakaguchi
    • 雑誌名

      Physical Review E

      巻: Vol.82,artno.032101

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Coupled-map-lattice model for spontaneous pore formation in anodic oxidation2010

    • 著者名/発表者名
      H.Sakaguchi, J.Zhao
    • 雑誌名

      Physical Review E

      巻: 81 ページ: 031603(1-6)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Branching Patterns and Stepped Leaders in an Electric-Circuit Model for Creeping Discharge2010

    • 著者名/発表者名
      H.Sakaguchi, S.M.Kourkouss
    • 雑誌名

      J.Phys.Soc.Jpn.

      巻: 79 ページ: 064802(1-4)

    • 査読あり
  • [学会発表] アルミニウム陽極酸化における細孔形成のCMLモデル2010

    • 著者名/発表者名
      坂口英継, 趙潔
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2010-09-23

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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