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2011 年度 実績報告書

分岐構造・階層構造の形成とダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 22540393
研究機関九州大学

研究代表者

坂口 英継  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (90192591)

キーワード分岐パターン / 放電 / 体節形成 / 位置情報 / 大規模停電 / スケールフリーネット / カスケード故障
研究概要

前年行った沿面放電の分岐パターンの研究において、パターン成長が一様に進むのではなく、成長して止まるまた成長を再開するといった振動現象が見られた。これは雷放電の先駆放電でみられるステップトリーダーの振る舞いに相当する。このステップ状の放電の進行ダイナミクスを理解するために、半径方の成長のみ取り入れた1次元モデルを提案し詳しく解析した。その結果、放電先端部の電圧と先端付近のコンダクタンスの相互作用で振動が自発的に生じることが分かった。
体節形成の反応拡散モデルの作り数値計算した。位置情報をつくる反応拡散系と周期構造をつくる反応拡散系とパルス伝搬の反応拡散系を結合することにより、哺乳類などの体の節構造の発生に似たパターン形成が生じることを示した。位置情報をつくる反応拡散系とパルス伝搬が体節の位置と形成のタイミングを決め、その影響の下で周期パターンが順序良く形成される。情報の流れに階層構造を持つ反応拡散系によるパターン形成が起こる数理モデルとも解釈できる現象である。
大規模停電の位相モデルを考案しシミュレーションした。負荷と発電機を2次元グリッドやスケールスリーネットワーク上にランダムに配置し、負荷を少しずつ増大させる。ある臨界値で発電量が足りなくなり、カスケード的に停電が伝播し大規模停電が生じることが分かった。平均場解析でその臨界値の近似値が求められることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分岐構造や階層構造上のダイナミクスの例をいくつが研究でき、シミュレーションの結果様々な興味深い現象を再現できるようになったので、おおむね順調に進んでいると考えている。

今後の研究の推進方策

今後もさらにいくつかの分岐パターン上や階層構造上のダイナミクスをモデル化してシミュレーションしていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Mechanism of Stepped Leaders in a Simple Discharge Model2011

    • 著者名/発表者名
      H.Sakaguchi, S.M.Sahim
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: 80 ページ: 094003 1-5

    • DOI

      10.1143/JPSJ.80.094003

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Spatially Periodic Domain Struture in Coupled Reaction-Diffusion Equations for Segment Formation2011

    • 著者名/発表者名
      H.Sakaguchi
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: 81 ページ: 024802 1-6

    • DOI

      10.1143/JPSJ.81.024802

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Suppression of the quantum-mechanical collapse by repulsive interaction in a quantum gas2011

    • 著者名/発表者名
      H.Sakaguchi, B.A.Malomed
    • 雑誌名

      Physical Review A

      巻: 83 ページ: 013607 1-7

    • DOI

      10.1103/PhysRevA.83.013607

    • 査読あり
  • [学会発表] 逆2乗ポテンシャル中の中心への落下と斥力相互作用による落下の抑制2011

    • 著者名/発表者名
      坂口英継
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2011-09-21

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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