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複雑系は多岐にわたり、その振る舞いは多様である。このような複雑系のすべてに共通する特徴を探求し、そこに潜む単純性や普遍性の有無を明らかにすることを目標にした。
１．複雑系に見られる統計性はべき乗分布と対数正規分布で特徴づけられることが多い。しかし、私たちはこれまでの研究で、複雑系では対数正規分布がより基本的な分布関数であることを基礎付けしてきた。本研究でも、対数正規分布のさらに多くの例を提示した。また、べき乗分布はそれぞれの系に個別的な要因が加わることで現れることを示した。対数正規分布の右裾にしばしば現れるべき乗分布がそれであり、その社会科学的意味を明らかにした。
２．宇宙背景放射温度揺らぎのWMAPデータについて、温度揺らぎの大小を地形の高低とみなし、一定温度の水平面でこの地形を切断すると、等高線ループの集まりのパターンが得られる。このパターンのフラクタル性をチェックし、水平面の高度を変えた時のパーコレーション転移の性質を調べ、通常の場合とは異なることを明らかにした。
３．バクテリアのコロニーに関し、枯草菌の特徴的な同心円状構造や枝分かれ構造、緑膿菌の周期的成長について詳しい実験的考察を行った。
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