自由エネルギーランドスケープ(FEL)描像を用いて、ガラス形成過程の解析を行った。まず、構造エントロピーに二種類の寄与があることを示した。次いで、剛体球系の緩和時間と充填率の関係が Vogel-Fulcher 則と矛盾がないことを示し、緩和時間の発散が協調緩和領域の大きさに依存することを示した。分子動力学シミュレーションにより2次元Lennard-Jones-Gauss (LJG) 系のガラス化過程の FEL を明らかにした。また、3 次元 LJG系のガラス転移に関わる特異温度が、FEL 描像から導かれる Odagaki Rule を満たすことを示した。さらに、FEL 描像を用いて高分子の誘電緩和を解析し、誘電測定から三つの特異温度が決定できることを示した。
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