研究課題/領域番号 |
22540414
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
藪 博之 立命館大学, 理工学部, 教授 (60202371)
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研究分担者 |
西村 拓史 お茶の水女子大学, お茶の水大アカデミック・プロダクション, 特任リサーチフェロー (30538351)
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キーワード | 原子気体 / 双極子相互作用 / 量子気体 / ボース・アインシュタイン凝縮 / フェルミ縮退 / 相転移 / 分子形成 / 化学平衡 |
研究概要 |
本年度は、交付申請書に記載した研究計画に基づき、以下の研究を行った: 1)温度ゼロの場合における双極子フェルミ分子の平均場近似によるHartree-Fock近似の理論的定式化を行ない、計算機プログラムを作成した。この計算機プログラムを、我々の研究で完成している準化学平衡の方法により混合原子気体において分子生成を解く計算機プログラムとくみあわせ、新しい計算機プログラムを開発した。双極子フェルミ粒子を含む極低温混合原子気体の相構造をボース・フェルミ混合気体において温度ゼロの場合に明らかにした。結果を日本物理学会第65回年次大会において発表した。また、準化学平衡の方法による混合原子気体における分子生成に関する成果を書籍の1章にまとめて出版した。 2)双極子相互作用(テンソル力)で相互作用する双極分子からなる相は高密度でテンソル力の引力のため不安定になる。1)の方法より双極分子の形成をともなうボース・フェルミ混合気体において、不安定相の存在と条件を数値計算により明らかにした。結果を日本物理学会秋季大会において発表した。 3)上記の計算機プログラムを有限温度における双極子フェルミ分子形成の場合に拡張し、ボース原子のボース・アインシュタイン凝縮の相転移温度の双極子相互作用(テンソル力)による変化を求めた。また、双極子フェルミ原子気体がトラップから開放された場合に異方性をもつテンソル力により非等方な膨張をすることを示し、実験との関係を明らかにした。これらの結果を論文・国際会議で発表した。
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