研究課題/領域番号 |
22540415
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
保坂 一元 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (50462859)
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研究分担者 |
稲場 肇 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (70356492)
渡部 謙一 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (50358389)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 光周波数標準 / 周波数安定化レーザー / 光共振器 / 低熱膨張材料 / 熱雑音 |
研究概要 |
平成24年度は、超低熱膨張セラミックを縦置き小型光共振器(共振器長 75 mm)のスペーサー材料に使用し、セラミック光共振器を用いた超安定化レーザーの可能性について詳細な検討を行った。具体的には、Nd:YAGレーザー(1064 nm)をこの光共振器に対して安定化し、光共振器の環境条件を変えながら、この安定化した光の周波数を光周波数コムで測定した。その結果、今回使用したセラミックの特徴として、①熱膨張係数が0となる温度(zero crossing temperature : ZCT)が16.4(1)℃に存在する事、②ZCT近傍における熱膨張係数の温度依存性は、ULEガラスに比べて約5倍大きい事が明らかになった。 このセラミックはULEガラスと比較して、熱伝導が3倍近く高く、剛性を表すヤング率は2倍以上であり、熱雑音の低減のために共振器長を80 cm程度まで長くしても、温度調整が比較的容易で、振動の影響を受けにくいと考えられる。この事を確認するため、有限要素法に基づくシミュレーションにより、光共振器の形状と支持方法の最適化を行った。この結果、光共振器が振動による加速度を受けたとしても、鏡の反射面中心の位置、および、2つの鏡の平行度が変化しない支持方法が存在し、長い共振器でも振動に対する影響を十分に小さくすることが可能であるとの結論に達した。このセラミックを用いて共振器長80 cmの光共振器を作製し、これに対してNd:YAGレーザーを安定化した場合、熱雑音による周波数安定度の限界は、2×10^-17(平均時間1秒)に達する事が分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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