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2010 年度 実績報告書

太陽系外惑星系における地球型水惑星の気候モードとその物理条件の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22540434
研究機関東京大学

研究代表者

田近 英一  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70251410)

キーワード太陽系外惑星系 / 地球型惑星 / 水惑星 / 惑星気候 / ハビタブルゾーン
研究概要

本研究計画は,惑星の質量,軌道要素,中心星の光度及び年齢等の条件に対して多数の数値計算を系統的に行うことによって,太陽系外地球型水惑星が取り得る気候モードの条件を明らかにしてその多様性を予測しようとするものである.
初年度においては,地球型水惑星環境モデルの開発を行った.地球型水惑星環境モデルは,気候モデルと炭素循環モデルの2つのモジュールで構成される.気候モデルとしては,計算速度の観点から,惑星放射の二酸化炭素濃度依存性を考慮した南北1次元エネルギーバランス気候モデルを採用した.また,炭素循環モデルとしては,まずは二酸化炭素収支を大局的に評価する目的で,惑星内部からの二酸化炭素の脱ガスと大陸の化学風化作用及び海洋における炭酸塩鉱物の沈殿による二酸化炭素の消費を考慮した.化学風化反応のカイネティクスについては,簡単のため,大陸地殻を構成するケイ酸塩鉱物の活性化エネルギーの平均的な値を用いた.そして,軌道長半径,軌道離心率,自転軸傾斜角等の条件を系統的に変化させた場合に実現される気候状態を求めた.さらに異なる初期条件(温度分布)から出発して異なる定常解が実現されるかどうか(多重平衡解が存在するかどうか)についても調べた,その結果,炭素循環を考慮しない場合について,多重平衡解領域をパラメータ空間においてマッピングをすることができた.また,炭素循環を考慮した場合には多重平衡解が得られず,解の分布が大きく変化することなどの予備的な結果を得た.
今後は,海洋の熱輸送及び熱容量・潜熱を考慮することで,より現実的な平衡解を導出するとともに,火成活動による二酸化炭素供給率に対する依存性等,モデルの基本的な挙動特性を詳細に調べる.また中心星の進化と惑星の熱進化も考慮して検討を行う予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 酸素濃度の維持機構2010

    • 著者名/発表者名
      田近英一
    • 学会等名
      国際高等研究所研究プロジェクト第4回「宇宙における生命の総合的考察とその研究戦略」研究会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2010-12-22
  • [学会発表] 系外水惑星の自転軸傾斜角が気候に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      渡邉吉康
    • 学会等名
      日本惑星科学会2010年秋季講演会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2010-10-07
  • [学会発表] 全球海惑星の炭素循環と大気温度進化2010

    • 著者名/発表者名
      木村亮
    • 学会等名
      日本惑星科学会2010年秋季講演会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2010-10-06
  • [学会発表] 全地球凍結~地球環境の大変動と生物進化~2010

    • 著者名/発表者名
      田近英一
    • 学会等名
      第55回愛知県下内科医会合同例会学術講演会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2010-08-07

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公開日: 2012-07-19  

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