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2012 年度 実績報告書

稍深発地震の物理プロセスに関する地震学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22540438
研究機関京都大学

研究代表者

久家 慶子  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50234414)

研究期間 (年度) 2010-10-20 – 2013-03-31
キーワード地震
研究概要

稍深発地震が発生する海洋プレート内部の温度構造を左右する構造を検出した。稍深発地震から放射されるP波とS波に後続波が観測されることを用いて、稍深発地震がおこる海洋プレートの上に地震波低速度領域をみつけた。この低速度領域は厚い大陸地殻の存在あるいはマントルウェッジの蛇紋岩化によって説明できる可能性がある。大陸地殻あるいは低温の蛇紋岩が上部に存在することによって、稍深発地震が発生する海洋プレート内の温度は、高温のマントルが海洋プレート上部に張り出している場合より低くなり、海洋プレート内の温度勾配も変化する。稍深発地震から放射されるP波とS波に後続波が見られない隣接する地域では、高温のマントルが海洋プレートの上部に張り出していると考えられ、稍深発地震の活動がより浅部で消失している。
プレート内におこる地震の物理モデルとして、間隙水が関与するモデルで破壊伝播特性に影響する要因を精査した。特に動的空隙率の増加係数および透水係数と空隙率の関係則の影響を明らかにした。透水係数と空隙率の関係則の違いは最終すべり量に変化を与えるものの、破壊伝播速度には影響を及ぼさなかった。関係則が、破壊フロント通過後の過程に主に影響するためである。一方、動的空隙率の増加係数は破壊伝播速度に影響を与えた。動的空隙率の変化が、破壊フロントが通過し大きな応力降下を起こしたときに主に影響するためである。これらのことは、動的空隙率の増加係数が破壊伝播速度を左右する要因として有効であるだけでなく、破壊伝播速度の変化には、破壊フロントが通過しつつある最中に影響を及ぼす物理機構が不可欠であることを示唆する。破壊フロント通過後に効果がある物理機構は破壊伝播速度を支配する要因にはならない。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Structure downdip of deep low-frequency earthquakes in western Shikoku, Japan, revealed by P and S waves propagating at slow apparent velocities from intraslab earthquakes2013

    • 著者名/発表者名
      K. Kuge
    • 雑誌名

      Geophys. Res. Lett.

      巻: 40 ページ: 5646-5651

    • DOI

      10.1002/2013GL057781

  • [学会発表] Structure downdip of deep low-frequency earthquakes in Shikoku, western Japan, revealed by later P and S arrivals with slow apparent velocities2013

    • 著者名/発表者名
      K. Kuge
    • 学会等名
      IASPEI
    • 発表場所
      Gothenburg, Sweden
    • 年月日
      20130723-20130723
  • [学会発表] P波の後続波でみる四国深部低周波地震の沈み込み下方側の地下構造2012

    • 著者名/発表者名
      久家慶子
    • 学会等名
      日本地震学会2012年秋季大会
    • 発表場所
      函館市民会館
    • 年月日
      20121018-20121018

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公開日: 2015-05-28  

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