研究課題
Argoデータに基づく月ごとの水温・塩分の格子データセット(MOAA-GPV)と気象庁による再解析データ(JRA-25/JCDAS)を用いて、北太平洋亜熱帯循環について、2005~2010年の各年のサブダクション率およびオブダクション率をラグランジュ・フレームワークで見積もった。サブダクション率には大きな年々変動があり、いずれの年の空間分布も、気候値データによる分布とは大きく異なっていた。亜熱帯循環全体の年平均サブダクション率の値は25 Svから50 Svまで変動し、対応する密度帯の体積分布の変動と整合していた。とくに注目すべき年々変動として、2005年および2010年に中央モード水のサブダクションがほとんどなかったこと、および、亜熱帯モード水と東部亜熱帯モード水のサブダクション率の変動には負の相関があることがあげられる。また、後者の変動は、北太平洋十年振動(PDO)と連動しており、PDO指数が正(負)のときに、亜熱帯モード水(東部亜熱帯モード水)のサブダクションが増加していた。気象庁による東経137度定線のデータによって栄養塩(リン酸塩)の濃度変動を記述した。亜熱帯モード水に相当する密度面上のリン酸塩には十年スケールの変動が見られ、1980年ごろに濃度が減少していた。この変化は、PDO指数の負から正への変化と2~3年のラグを持って生じていることから、亜熱帯モード水のサブダクション率が増加し、対応する密度層のベンチレーションが強まったことと関係している可能性が示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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沿岸海洋研究
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Journal of Oceanography
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