研究課題/領域番号 |
22540453
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研究機関 | 鳥取環境大学 |
研究代表者 |
岡本 謙一 鳥取環境大学, 環境情報学部, 教授 (90326273)
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研究分担者 |
真鍋 武嗣 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (50358991)
重 尚一 京都大学, 理学研究科, 准教授 (60344264)
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キーワード | 降雨 / 降雨レーダ / マイクロ波放射計 / 雲レーダ |
研究概要 |
今年度は・昨年度の研究を継承して、機械的走査方式の反射鏡アンテナを共用する三周波(13.6GHz、35.5GHz、94GHz)降雨・雲レーダおよびマイクロ波放射計を複合し降雨、雲を同時に観測するシステムの実現可能性の検討を研究代表者、研究分担者が連絡を密に取り合い協力しながら実施した。 アンテナ系については、昨年度に検討を行った周波数共用マルチビーム・オフセットパラボラアンテナシステムにおいて、単一のパラボラ主鏡面を三周波で共用するために必要とされる周波数選択板について、時間領域有限差分(FDTD)法により基礎的な検討を行った。矩形ヌロットを周期的に配列したSiege1型の周波数選択板の場合、入射面に平行な偏波については所望の周波数選択特性が得られるが、入射面に直交する偏波については周波数選択特性が得ることが難しいことが分かった。 降雨レーダ(13.6GHz,35.5GHz)の送受信系のシステム検討においては、レーダ方程式を用いて、単純な降雨モデルを対象としたシステムパラメータの検討を行った。また、マイクロ波放射計のシステム検討を行った。 昨年度に雲解像数値モデルによってシミュレーションされた熱帯降水システムのデータにSatellite Data Simulateor Unit(SDSU)を適用することにより作成した三周波複合型センサのシミュレーションデータを用いて、今年度はセンサ特性の雲降水同時観測への影響を評価するため、2014年度打ち上げ予定の全球降水観測計画(GPM)衛星搭載の二周波降水レーダ(13.6GHz,35.5GHz)ならびに定常運用を終了したCloudSat衛星搭載雲レーダ(94GHz)のアンテナパターンと最小受信感度を適用し、三周波降雨・雲レーダ観測データを用いた科学的研究として想定される降水頂と雲頂の統計解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題を達成するにおいてキーとなる三周波(13.6GHz、35.5GHz、94GHz)共用の反射鏡アンテナを実現するために、周波数選択板を用いることにより所望の周波数選択性が達成される見通しが得られたこと。SDSUが、三周波レーダ特性(アンテナビーム幅、最小受信電力)の雲降水同時観測への影響を評価するために有効であることがわかったこと。
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今後の研究の推進方策 |
システム検討によって定められた機械的走査方式の反射鏡アンテナを共用する三周波(13.6GHz、35.5GHz、94GHz)降雨・雲レーダおよびマイクロ波放射計の複合システムのアンテナ系・送受信系パラメータと、雲解像モデルにSDSUを適用することにより作成した三周波複合型センサのシミュレーションデータを用いて降水頂と雲頂の統計解析を実施するのに適用するパラメータの整合性を確認するため、研究代表者、研究分担者が会合を密に開催するなどして連絡をよく取り合って研究を実施する。
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