研究課題
本年度は非一様・非等方性電離層とAlfven波によって運ばれる沿磁力線電流系の相互作用について、電離層電流が伝導度勾配領域を横切る時に生じる分極場生成プロセスを3次元電流クロージャーの観点からの再定式化と数値実験を行い、Cowlingチャンネル生成に関する重要な知見を得た。主な成果を以下のとおりである。伝導度勾配領域で生じる過剰電流の電離圏閉じ込め効率、及び磁気圏への沿磁力線電流として解放効率を理論的に定式化に成功。通常のオーロラ帯でのパラメータ、ΣP>>ΣAの状況では勾配を横切ることによって生じる殆どの電流発散が電離圏内に閉じ込められ、分極場生成効率は最大となることを発見。但しこの閉じ込め効率は~10km以下の空間スケールでは小さくなり、電流発散の閉じ込め効率は小さくなり効率良く沿磁力線電流と閉じること、逆に分極場生成効率は下がることを確認。Pedersen電流が伝導度勾配領域を横切る時に生じるPedersen分極場は電離圏対流に対して、高(低)伝導度領域での対流流線密度の増大(減少)、即ち、対流の減速(加速)をもたらすことを証明。Hall電流が伝導度勾配領域を横切る時に生じるHall分極場は電離圏対流に対して、高(低)伝導度領域では磁力線を軸として対流流線の時計回り(反時計回りの回転)、即ち対流の捻れを生成することを解明。Hall分極場生成がもたらしうる更なる特異な性質として、高伝導度領域内に端を発するシステムについては、ソース領域から生じる電場を伝導度バンドに閉じ込める効果をもたらすことを発見。この結果は等方性伝導度システムで生じうる場合と真逆であり、Cowing効果の観測的実証への道を拓く。伝導度の等値線に沿った領域でも、Alfven伝導度を観測的に推定する手法を提唱。以上の結果は、国際学術誌、JGR Space Physicsに二編の論文として投稿された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件) 学会発表 (18件) (うち招待講演 8件)
DOI:10.1002/jgra.50254
J. Geophys. Res
巻: 117 ページ: A11217
DOI:10.1029/2012JA017953
巻: 117 ページ: A09305
DOI:10.1029/2012JA017899
J. Geophys. Res.
巻: 117 ページ: A08327
DOI:10.1029/2012JA017841
Geophysical Research Letters
巻: 39 ページ: L22105
10.1029/2012GL054085
Journal of Geophysical Research
巻: 117 ページ: A11212
10.1029/2012JA017900
10.1029/2012JA017790
巻: 117 ページ: A10214
巻: 39 ページ: L16101
10.1029/2012GL052818
巻: 117 ページ: A07214
10.1029/2011JA017459
Astronomische Nachrichten
巻: Vol 33,N0 o ページ: 319-323
10.1002/asna.201211664
日本惑星科学会誌
巻: 21 ページ: 16-21