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2012 年度 実績報告書

富栄養湖堆積物の二酸化炭素吸収能力:中海・宍道湖の過去約四百年間の復元

研究課題

研究課題/領域番号 22540470
研究機関島根大学

研究代表者

三瓶 良和  島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (00226086)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード汽水域 / 富栄養湖 / 有機物濃度 / 有機炭素埋積速度 / 二酸化炭素 / 硫化水素 / カーボンシンク / 中海・宍道湖
研究概要

昨年度に採取した3本のコア試料(中海で2本,宍道湖で1本:60~80cm)の分析を行ったところ次の結果が得られた。中海北部コアのTOC濃度は,70cm~30cmまでは約1.7%でほぼ一定,25~15cmは約1.4%とやや低くなり,15~0cmでは1.5%~3.2%に増加する(C/N比は約9で変化しない)。中海中央南コアでは,80cm~55cmまでは約1.4%でほぼ一定,50~25cmは約1%とやや低くなり,20~0cmでは1.5%~4.0%に増加する(C/N比は約11-8で大きくは変化しない)。宍道湖中央コアでは,60~30cmまでは約0.8%でほぼ一定,30~20cmは約0.7%とやや低くなり,20~0cmでは0.9%~4.0%に増加する(C/N比は約6-8で大きくは変化しない)。金井ほか(1997,2002)の堆積速度を基に本研究の有機炭素埋積速度を計算すると平均で10-20gC/m2yr程度と見積もられ,これに両湖の底泥分布域の面積をかけると,併せて2×10^9gC/y程度の有機炭素貯蔵能力を有し近年増加傾向にあることが分かった。
さらに,硫化水素のデータを加えて検討したところ,中海において表層TOC濃度が3.5%を超えると湖底水中に硫化水素が検出されはじめ,両者に比例関係があり,H2S(ppm)=13.9*TOC(%)-52.1 (TOC>3.5%)で表されることが分かった。一方,中海の大気CO2濃度(於:中海中央部の江島)は,平均四百ppm程度でかつ昼夜の変動差が大きいことが分かり,最大80ppm程度の昼夜差が見られた(春季)。高ピークは明け方であり昼間は低く夕方から増加する。夜間のピーク値は気温と関係があるように見え,昼間の湖表層の光合成と夜間の有機物分解の差を含めたCO2吸収放出特性を表わしているように見える。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Hydrogen sulfide and organic carbon at the sediment–water interface in coastal brackish Lake Nakaumi, SW Japan.2013

    • 著者名/発表者名
      Sakai, S., Nakaya, M., Sampei, Y., Dettman, D.L. and Takayasu, K.
    • 雑誌名

      Environmental Earth Sciences

      巻: 68 ページ: 1999-2006

    • DOI

      10.1007/s12665-012-1887-5

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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