研究課題
24年度は、1)パラオ海盆周辺において実施した航海による採取試料及びデータの分析および解析、2)ヤップ島における陸上試料の分析、3)小笠原諸島での採取試料の記載、分析、4)西フィリピン海盆地域の海底拡大史とテクトニクス復元に関するモデルのとりまとめと論文投稿、を主に実施した。パラオ海盆及び西フィリピン海盆南部における採取岩石の化学的特徴と年代決定、地磁気異常解析からこれらの海盆形成初期の拡大様式が明らかになってきた。両海盆の拡大開始時期は伊豆小笠原マリアナ島弧の拡大開始時期に近く、拡大軸の方向は当初これらの島弧の伸びの方向に近かかった可能性が高くなった。この成果を一部用い、西フィリピン海盆の拡大開始プロセスと拡大速度に関するモデルを提案し、国際誌に投稿中である。さらにモデル検証のために、パラオ海盆およびパラオ諸島周辺海域において潜水調査船しんかい6500を用いた調査航海を提案、採択された。研究期間終了後となるが、25年9月に航海が実施され、海盆を構成する海洋地殻及び九州パラオ海嶺の基盤を構成する地殻の観察と試料採取を実施、本研究に基づく成果の検証を実施できることとなった。ヤップ島での採取試料について、化学組成分析と年代決定を行った。その結果、島に広く分布する変成岩類は海洋地殻起源である可能性が高いことが明らかになったが直接年代決定できる試料が得られず、そのフィリピン海テクトニクスの中での位置づけの確定までは到らなかった。小笠原諸島における採取試料については、上記の両海盆が拡大している時期の島弧のマグマ活動の特徴の解明につながるものである。今年度対象とした母島群島地域の火山岩類は、Ar/Ar年代測定の結果4500-4000万年前に活動したものであることが明らかになり(すなわち海盆拡大と同時期)、マグマの起源となるマントル物質についても共通点があることが明らかになった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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