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2010 年度 実績報告書

洞窟性微小二枚貝の同位体比と微量元素分析に基づく生活史戦略の進化と気候変動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22540475
研究機関静岡大学

研究代表者

北村 晃寿  静岡大学, 理学部, 准教授 (20260581)

研究分担者 生形 貴男  静岡大学, 理学部, 准教授 (00293598)
豊福 高志  独立行政法人海洋研究開発機構, 研究員 (30371719)
石村 豊穂  独立行政法人産業技術総合研究所, 派遣職員(研究員) (80422012)
キーワード完新世 / 海底洞窟 / 微小二枚貝 / 生活史戦略 / 気候変動
研究概要

本研究目的は「海生無脊椎動物の貧栄養化に対する数千年スケールでの適応戦略」と「過去7,000年間の環境変動復元に基づく日本周辺気候への太陽活動の影響」を解明することにある.対象試料は,沖縄海域の海底洞窟に生息する微小二枚貝イエジマケシザルガイ(殻長3.5mm以下)で,それらの貝殻の酸素同位体比と微量元素から,「過去の水温情報」と「殻成長パターン」の時系列データから,本研究の目的を果たす.そのためには,イエジマケシザルガイの殻の成長に関する知識が不可欠である.そこで,当該年度は,標識個体の成長追跡調査(生貝を標識・放流し,再捕獲して殻の成長量を調べる)を4つの異なる期間で実施した.その結果,同種は1年を通して成長している可能性が高く,殻長3mmに達するまでに4年間を要することが判明した.さらに,水温の異なる2つの海底洞窟(大洞窟と小洞窟;小洞窟の水温は大洞窟よりも夏季に1-2℃高い)から生貝を採取し,酸素同位体比と炭素同位体比を測定した.その結果,小洞窟の個体の一部の殻の酸素同位体比は,速度論的効果の影響を受けている可能性が高いことが分かった.一方,大洞窟の個体では速度論的効果の影響は検出されなかった.したがって,大洞窟のイエジマケシザルガイの殻の酸素同位体比は,年間平均水温を記録していると見なせる.成長追跡調査を行い,殻の形成期間が分かった生貝試料については,殻断面を研磨して,ストロンチウム,マグネシウム,イオウの元素マッピングを行った.その結果,イオウの分布パターンが殻成長パターンの解析に最も適していることを明らかにすることができた.

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公開日: 2012-07-19  

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