研究課題
ロシア・バイカル湖(2012年7月)およびサハリン島南東沖・南西沖(2012年8月)にて、湖底・海底堆積物中のガスハイドレート(GH)結晶を採取した。バイカル湖では、前年度に引き続き中央湖盆~南湖盆にかけて湖底堆積物の採取を実施し、新たに5ヶ所の新地点でGHが採取された。中央湖盆南側のKukuy K-3泥火山およびKukuyポックマーク、南湖盆西側のPosolBankでは、結晶構造II型のGHが発見され、エタンリッチな構造II型GHの産出域はこれで計6ヶ所となった。北湖盆の温泉地帯では安定同位体比の極端に異なる非生物起源メタンが採取された。2002年からの10年以上にわたるバイカル湖GH調査では、微生物起源・熱分解起源ガスの端成分が明らかとなり、これらの混合系として多様なガス成分がGHを形成していることが分かった。サハリン島南東沖テルペニヤリッジおよび南西沖タタールトラフでは、表層型GHが初めて採取され、いずれも結晶構造I型であった。ガス分析結果からは、前者がこれまでにサハリン島北東沖で見つかっているタイプと類似している一方、後者の試料は熱分解起源メタンを包接し、エタン・プロパン等の成分が少ないために結晶構造I型が生成したと推察される。このガス組成等の条件は日本海上越沖の表層型GHと酷似しており、熱分解起源メタンからどのようにエタン・プロパン等が除去されたのか、などの疑問点の解明が今後の課題となる。一方、実験室ではメタン・硫化水素系混合GHを人工的に生成し、解離熱測定が行なわれた。純粋な硫化水素GHの解離熱は相図から求められた推定値(文献値)と一致し、混合系では結晶構造の変化はみられず、混合GHの解離熱はメタン・硫化水素それぞれの純粋なGH解離熱のおおむね中間にあることがわかった。メタン・ブタン系混合GHではブタン分子が大ケージの中心付近に等方的に分布することが分かった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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