研究課題
本研究は、蔵王火山について、【1】古地磁気年代測定を含む噴火史の精密化および系統的試料採取:(1-1)噴火史の精密化および系統的試料採取、(1-2)古地磁気年代測定、【2】高精度全岩および鉱物化学組成分析、岩石組織解析、【3】マグマ溜り進化の高精度解析を進め、最終的には、島弧安山岩質活火山のマグマ溜り進化モデルの構築・噴火予測を行うものである。以下に22年度の成果を記す。【1】(1-1):13世紀以降の6回の噴火に対応する噴出物を精査し、噴火の時期と規模を高精度に明らかにした。特に火口近傍の噴出物を詳しく観察し、6回の噴火に対応する試料の系統的採取を行った。(1-2):13世紀以降の6回の噴火による噴出物のうち、火口近傍に分布する火砕岩と、火口から離れた場所に堆積した火山灰層から合計約100試料を採取した。そのうち約80試料について古地磁気の方位と磁力の測定を行い、過去の地磁気方位と磁力の変遷と比較し各層準の年代の推定を行った。得られた年代を火山灰層所学的に推定した年代とクロスチェックした。【2】火口近傍で採取した13世紀以降の噴出物試料について、鏡下の観察・全岩化学組成・鉱物化学組成の系統的な分析を行った。同位体比分析については試料調整中である。【3】得られたデータを岩石学的に解析した結果、13世紀以降については、蔵王火山の地下浅部には半固結状態のマグマ溜まりが定常的に存在し、噴火の際により深部からのマグマが上昇し、浅部マグマ溜りを活性化させ、両者が混合・噴火したと推定された。混合における深部マグマの比率は噴火の初期から後期にかけて高くなる傾向が認められた。また、深部からのマグマの性質は噴火毎にやや異なることも明らかとなった。
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In West, J.P.(ed.) Basalt Types, Petrology and Uses.New York : Nova Science Publishers, Inc.
巻: in press
International Journal of Geology
巻: 5 ページ: 1-13
Earth Monograph Series of Center for Northeast Asian Studies, Tohoku University
巻: 41 ページ: 95-102
http://yudb.kj.yamagata-u.ac.jp/OUTSIDE?ISTActId=SCHKOBOOIORIniOO1&userld=631&langkbn=0