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2010 年度 実績報告書

中部九州地域の第四紀火山フロントのアダカイト質および非アダカイト質マグマの成因

研究課題

研究課題/領域番号 22540491
研究機関京都大学

研究代表者

柴田 知之  京都大学, 理学研究科, 助教 (40332720)

キーワード両子山 / 阿蘇 / アダカイト / スラブの部分溶融 / スラブの脱水反応 / Sr・Nd・Pb同立体 / 微量元素 / 主成分元素
研究概要

本申請課題は、主成分・微量元素組成およびSr・Nd・Pb同位体組成の分析・解析から、中部九州地域火山フロントで観察されるアダカイト質,及び,非アダカイト質マグマ両マグマの成因関係を明らかにすることでスラブ由来物質の化学組成や物性、及びマントルウェッジとの反応過程を解明することを目的としている。平成22年度は,データの空白域を埋めるため,両子山と阿蘇の後カルデラ期の試料を採取し地球化学的データを得ることを計画した。また,比較のため,桜島の火山岩類の採取と化学・同位体分析も計画に追加し行った。その結果,1)両子山のアダカイト質マグマの化学的・同位体的特徴は沈み込んだスラブの部分溶融とその上に堆積していた陸源性堆積物の部分溶融液の混合と,そのマグマの地殻物質とも反応で説明できることが分かった,2)阿蘇の後カルデラ期のストロンチウム(Sr)同位体は,カルデラ期のマグマの組成と比較して広い組成範囲を示すことが明らかになった。これは,カルデラ期には初生マグマと地殻物質起源のメルトが大規模に混合し比較的均質な組成になったのに対し,後カルデラ期では小規模なマグマが異なる噴出経路を取ったため,地殻物質の不均質の影響がマグマのSr同位体組成に現れたと考えることができる。また,阿蘇の初生マグマはスラブの脱水反応で生じた流体相とマントルウェッジの反応で生じた,非アダカイト質のマグマであったと考えられる。まだ,解析は進んでいないが,NdとPb同位体組成の分析も終了しており,当初の計画を完了することができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Genetic relationship between post-caldera and caldera-forming magmas from Aso volcano, SW Japan : Constraints from Sr isotope and trace element compositions2011

    • 著者名/発表者名
      Masaya MIYOSHI, Tomoyuki SHIBATA, Masako YOSHIKAWA, Takashi SANO, Taro SHINMURA, Toshiaki HASRNAKA
    • 雑誌名

      Journal of Mineralogical and Petrological Sciences

      巻: 106 ページ: 114-191

    • DOI

      10.2465/jmps.101021b

    • 査読あり
  • [学会発表] 大分県国東半島両子山火山の第四紀マグマ2010

    • 著者名/発表者名
      柴田知之・三好雅也
    • 学会等名
      火山学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2010-10-09
  • [学会発表] 両子山のアダカイト質な第四紀マグマの地球化学的特徴2010

    • 著者名/発表者名
      柴田知之・三好雅也
    • 学会等名
      鉱物科学会
    • 発表場所
      島根大学
    • 年月日
      2010-09-25
  • [学会発表] 阿蘇後カルデラ期火山噴出物の地球化学的研究2010

    • 著者名/発表者名
      三好雅也・柴田知之
    • 学会等名
      鉱物科学会
    • 発表場所
      島根大学
    • 年月日
      2010-09-25
  • [学会発表] The geochemical characteristics of uaternary adakitic magma from Futagoyama volcano, northeast Kyushu, Japan2010

    • 著者名/発表者名
      T.SHIBATA, M.MYOSHI
    • 学会等名
      Goldschmidt Conference 2010
    • 発表場所
      ノックスビル,USA
    • 年月日
      2010-06-17

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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