研究概要 |
現代プラズマ科学分野の特に理論・シミュレーション研究においてプラズマの2流体効果が新しいホットテーマになっている.本研究の目的は,プラズマの2流体効果を実験的に検証し,2流体効果による'空間・時間スケールの長い'構造形成と'空間・時間スケールの短い'乱流散逸場の生成という理論的予測に結論を与える事である.この検証を遂行するために,ここでは正負2つの非中性プラズマのマージングという従来ない新奇な実験手法を用いる.この新手法により2流体状態の特性長とされているイオン表皮厚λ_1を実験装置の特性長まで引き伸ばし,精緻な実験を可能にすると共に,2流体系という当該分野の未開拓物理を探求するための一つの実験手法を確立する 当該年度では新装置の開発を行い,2流体状態の特性長とされているイオン表皮厚λ_1を装置径Lまで引き伸ばすための装置を準備した.現有コイルの最大磁場強度は約0.1Tなので,生成可能なプラズマ最大密度(ブリルアン密度限界:n_B=ε0B^2/2m)はmに反比例するためイオン流体に対して厳しく,Li^+の場合は~10^6cm^<-3>となる.一方,Lについては,装置の内径が10cmなのでプラズマ半径が~3cm(=L)となるようにイオンブラズマを生成するとL/λ_1~0.O1となり,ターゲット領域に収まる.したがって,本研究でのターゲット密度領域はn_l~10^6cm^<-3>,n~10^<6-10>cm^<-3>と決まるが,電子系への要請密度は容易に実現できるので,結果として「β~0.1Tでn_i(~n_B)~10^6cm^<-3>のイオンプラズマの電チフラズマとの同時閉じ込めの達成」が課題となる,この課題を達成するために,具体的は以下の2項目の開発を個別に進めて準備を完了した.(1)マルチリング電極を用いた正負2つの放物型ポテンシャル場の生成とその制御系の開発,(2)装置両端へのミラー磁場発生用コイルの設置次年度はこれらを用いて実際に正負2つの非中性プラズマの同時閉じ込め及びマージング実験を行う
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