研究課題
高性能機能性薄膜作製技術であるパルスレーザ堆積(PLD)法を用いて、フレキシブル基板上に、高分子型の有機EL薄膜を作製することで有機ELディスプレイを作製する。基板として透明導電膜(ITOやZnO)が作製されたフレキシブル基板(PET,PEN等)を利用し、その上に、モノマー有機材料(粉体)を衝撃固化法によって作製した高密度のターゲットを利用したPLD法で、光熱分解過程を利用することにより先駆体を必要とせず直接基板上へ高分子型有機EL薄膜を作製し、作業プロセスの簡略化,膜質制御や高品質化を試みる。この時ターゲットを液体窒素や液体ヘリウムを利用して極低温で固体安定化させた状態で薄膜作製を行い、膜質を向上させる。本年度は最終年度として粉体を圧縮することによって作製したAlq3ターゲットおよび炭素ターゲットを、冷凍機を用いて10K以下に冷却し、その状態でPLD法を用いてAlq3薄膜を作製した。作製されたAlq3薄膜を光吸収法によって計測したところ、ターゲットの冷却の有無にかかわらず400nm付近で吸収があるが、冷却したターゲットの場合の方がより吸収することが分かった。このことは作製された薄膜が有機ELとして動作することを示唆している。同じ薄膜をXRDで分析した結果、液体窒素で冷却したターゲットを用いた場合、作製した薄膜はレーザフルエンスが小さい場合でも結晶性のものが作製されることが分かった。XPSで分析した結果、冷却したターゲットを利用するとよりターゲットに近い化学組成のものが作製されることが分かった。炭素ターゲットでは、CNTの作製は確認できなかったが、冷却した場合の方が炭素薄膜の成膜速度は速いことがわかった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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