研究課題
コーン付きターゲットを用いた高速点火レーザー核融合では,生成される高速電子が大きな発散角を持つため,コア加熱効率の著しい低下が懸念される.このため,加熱効率の向上には,高速電子のガイディングが不可欠である.そこで,外部印加縦磁場による高速電子ガイディング法について,2次元相対論的電磁粒子コードによりレーザープラズマ相互作用に対する縦磁場の影響および生成される高速電子の特性を評価した.その結果,3kTの外部縦磁場を印加した場合,高速電子は,ほぼ完全にガイディングされることがわかった.高速電子が大きな発散角を持つ一方,超高強度短パルスレーザーにより,生成効率は悪いものの発散角の小さいイオンビームが生成できる.そこで,イオンビームを生成するターゲット材をCHとし,電子およびイオンエネルギーの違いによるコア到達時刻の差を小さくするために,そのターゲットをコーン内のできるだけコア近傍に設置し,2次元相対論的電磁粒子コードにより生成されるイオンビームの特性を調べ,高速点火に応用できるか検討した.その結果,加熱用レーザーからイオンへのエネルギー変換効率は,1%程度であることがわかった.更に,統合シミュレーションの結果より,イオンは,66~82%のエネルギーをコアに付与し,加熱に対して17~32%の寄与があり,コア電子温度は6~10%上昇することが明らかになった.高速点火レーザー核融合の前半過程では,コーン付爆縮によって高密度爆縮コアは形成しなければならないが,ホットスポットは形成する必要がないため,低速でエントロピーを低く抑えた爆縮の可能性が考えられる.そこで,輻射・流体コードにより,FIREX-I実験における低速爆縮について検討した.その結果,擾乱がある場合でも安定に爆縮できることがわかったが,爆縮速度が遅いことからコーン先端が長時間高圧に曝される等の懸念される現象もみられた.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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