研究課題/領域番号 |
22550020
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
兒玉 健 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (20285092)
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研究分担者 |
藤野 竜也 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (20360638)
城丸 春夫 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (70196632)
阿知波 洋次 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (20002173)
若林 知成 近畿大学, 理工学部, 准教授 (30273428)
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キーワード | フェムト秒レーザー / 炭素クラスター / フラーレン |
研究概要 |
本研究においては、フェムト秒レーザーを用いた溶液内反応により、新奇炭素クラスターを生成・単離することを目的としている。本年度はC_<70>フラーレンの溶液にフェムト秒レーザーを照射した時にC_2解離によって生成するC_<68>等の炭素クラスターの単離を目指した。具体的には、以下のような結果が得られた。 1.C_<70>のトルエン溶液にフェムト秒レーザーを照射した場合、黒色粉末が得られた。得られた粉末の質量スペクトルを測定するとC_<68>、C_<66>、C_<64>などのC_<70>からのC_2解離によって生成したと思われる炭素クラスターが得られた。これら炭素クラスターにおいては、一般に安定なフラーレンにおいて成り立っている五員環が隣り合わないという規則(孤立五員環則)が成り立つ構造が幾何学的に存在し得ないことが知られている。よって、五員環が隣接することにより、反応性が高い部位が存在することになり、凝集(あるいは重合)し粉末になったのではないかと推測した。 2.上記のような不安定な炭素クラスターを安定に取り出すために、反応活性部位に対してハロゲン等を付加、配位させることを計画し、トルエンの代わりに四塩化炭素を溶媒に用いた。その結果、黒色粉末は生成せず透明な溶液が得られた。これはC_<68>等が塩素付加により安定化されたためではないかと推定した。付加体の同定のために質量スペクトルを測定したが、明確なシグナルを得ることはできなかった。黒色粉末の代わりに生成した物質の同定が今後の課題である。 上記1,2の結果については学会において報告した。
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