研究概要 |
近年浅野らによって、ユリ科の植物より新規なピロリジジンアルカロイドであるHyacinthacine 類が単離された。これらは水酸基の数により A, B, C の3 種類に分類され、糖代謝阻害作用を示すため、糖尿病疾患等に対する新たな治療薬として強く期待される。しかし、植物からの採取量が僅かなうえ、化学合成の成功例はA 群のみであり、B, C 群に関しては合成報告がない。これらの理由から、糖尿病等の疾患に対する新たな治療薬の開発を目的として、同群のうちB1, B2 およびC2, C3 を標的化合物と設定し、その全合成を達成するとともに、包括的合成経路の確立を目指した。
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